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The View - Hats Off To The Buskers [Artist V-Z]

比較的オーソドックスな曲作りをするバンドです。Rolling StonesやWhoまでさかのぼる、R&Bやブルースを基盤としながら、メロディ展開やアレンジの工夫で魅せるロック。弱冠18才そこそこの若者達に、ここまで身に染みているところに、英国の音楽文化の豊かさを感じます。

本格デビュー前から異常に盛り上がるもうひとつの要因は、この若者達がバンドのパッションが何かをよく掴んでいることです。ガヤガヤしたノイジーな喧騒。各楽器のパートとボーカルが絡み合いながら、全体として火を噴くのは、ひとりひとりからアイデアが溢れ出ている証拠。

しかし一番の魅力は、まだ何も固まっていないことでしょう。ガレージやフォークなど様々な曲調に一生懸命取り組みながら、一気にアルバムを作った。たぶん、このデビュー作で考えていたのは、とにかくいっぱいいい曲をやってみよう。それだけだったのだと思う。

曲間の関連性や、全体のテーマなどほとんど考えず、荒削りなままをよしとした。あちこちに削りカスが残ったままのRAWのエネルギーは、まだどこに向かうのかわからない。

考えてみれば、賢いバンドが多すぎる。現代のヒップホップ感覚に欠けるポップ性を80sに見出し、斜に構えたキャラクタまでを計算の上で大ヒットを飛ばす。インディーの閉塞性の中で、mixi的コミュニティーを構築して仲間を増やす。Arctic Monkeysですら、そんな計算をせずに一直線にいくんだ、という愚直性においてデビュー時から方向が定まっていた。賢くないふりをすることを含めて、方向がないままに進むことをよしとしない雰囲気が、今のシーンにはあるのかもしれません。

The Viewはバンド名が皮肉に響くほど、View(見通し)がない。何になるんだろう、どっちに進むんだろう。そこに確かなエネルギーがあることを感じながら、方向が見えないところに、周りはどんどん期待感を膨らませていく。わからないから否が応でも注目を浴びてしまう。The Viewをめぐるハイプの原因はここにあります。

考えてみれば、ストーンズもWhoもKinksも、デビュー盤はただのエネルギーの塊だった。もちろんスタイルの原型はありましたが、それはあとから振り返るからそう見えるだけではないでしょうか。ストーンズがドのつくディープなブルースバンドになったとしても不思議ではなかった。モッズが、軟派なポップグループになっていったとしてもおかしくはなかった。きっとデビューしたての彼らを取り巻いていたのは、「何なんだろう、この人たちは?」というときめく期待感だけだったに違いありません。

私たちが久しく忘れていた無節操な暴れ方。2007年は、多様化・個性化の流れに少しだけしっぺ返しを食らわせるThe Viewで幕を開けたのでした。おおバケするのか、おおゴケするのか、超地味化するのか。回りだしたルーレットをじっくりと眺めていきましょう。


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