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Eluvium - Copia [Artist D-F]

宇宙空間にプールを作ったらどんな感じなのだろう。無重力なので、水はひとつの大きな球となって空間に浮かんでいるでしょう。その中にドボンと飛び込むと、やはり重力がないから浮かんでこない。水は流れ落ちていかないから、漕ぎ出してもなかなか体にまとわり付いて離れていかないでしょう。下手をするとそのまま水にはまったままで溺れてしまう。結構怖いですね。

そんなことをEluviumのIndoor Swimming At The Space Station(スペースステーションでの室内水泳)を聞きながらボーっと考えてしまう。ここにはゆっくりした内省的な時間が流れている。何層かに重ね合わさったシンセサイザーのレイヤーの上で、ピアノやストリングスが短い主旋律のパターンを淡々と繰り返していく。自分の周りの空間が次々に切り替わっていくのを、映画のスクリーンを見つめるように眺めている。Eluviumのサウンドの中にいるとそういう感覚になってきます。

単純化された構成の中に、様々な情感が丁寧に織り込まれている。周りが違って見えてくるのも、私たちの意識がEluviumのはたらきかけによって解きほぐされ、感受性が鋭敏になっているからです。

最近、大手のブランディング会社と仕事をしているのですが、この前彼らのプレゼンがありました。黄色を背景にしたスタイリッシュなスライドを投影しながら、Powerbookを指で操作してピアノのBGMを流しだしました。普段、無味乾燥なPowerpointばかりを扱っているまじめな会社にとって、会議室で音楽を流すこと自体、かなり大胆なこと。いまだかつてない。重役ばかりの部屋が一瞬凍り付いた感じがしました。

とてもシンプルで、たぶん数多くあるサウンドファイルのひとつなのでしょう。でもその音に筆者は無性に引き込まれてしまいました。音楽なんて流れたことのない部屋に、はじめて響いた清らかな音。小さいくて取るに足りないけれども、ものすごく大きな意味を持った音。大事なことをさりげなく、しかししっかりとその場に刻み込んでいく音。Eluviumの音楽にも同様の尊さを感じてしまうのです。


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