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Just Jack - Overtones [Artist J-L]

弛緩系のヒップ・ホップ。かと思えば後半はほとんどフォーク。打ち込みよりも自然なサウンドに重きが置かれ、語りに近いラップ/歌が緩やかに流れていく。押しは弱いし、歌もラップも決してうまいわけではない。ずいぶんと不思議なアルバムです。

その場で思いついたことをぼそぼそとつぶやいていく。斜に構えた無関心で投げやりなトーンは、しかししたたかな主張を秘めている。

例えばDisco Friends。ダンスを肯定的に捉えてはいない。夢破れるものが一時を忘れるために集まり、社会から隠れるために群集に紛れ込む。そんな光景をちょっとだけ暖かな視線で見つめている。

一歩も二歩も三歩も下がったところから聞こえてくる遠慮がちな声。それでもその独り言に私たちは囚われてしまうし、気がつけば一緒につぶやき、空想してしまっている。とらえどころのないふわふわした空気が、いつの間にか抜けられない気持ちよさと化している。

Glory Days。ベッドを出て、この世界を満喫しようよ。今日も栄光に満ちた一日なんだから。ほとんど抑揚なく歌われるポップソング。いったいどこが「栄光(Glory)」なんだろうと首をかしげながらも、なんとなくホンワカしてくる。

思えば今日もただ会社に行って帰ってくるだけの一日でした。何気なく電車の窓から外に目をやると、ホームで待つ一人ひとりの表情から、ちいさな物語が読み取れる。それは決して筋道だった小説なんかにまとまらない。映画のシーンにまでもならない意識の散文。Just Jackは、そんな言葉の断片を集めて、心のモザイクを作ろうとしているのかもしれません。


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