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Fall Out Boy - Infinity On High [Artist D-F]

今日は雲ひとつない、真っ青に晴れ渡った空でした。こんな空を見ると、人は無性に高揚します。文字通り心が晴れ晴れしてきます。理由はよくわかりません。おそらく理由は考えてはいけないのです。考え出したとたん、せっかくの心がしぼんでくる。ただあるがままに気持を受け入れるべきなのです。

Fall Out Boyの新作は、もうめちゃくちゃに明るい超パワーポップロックです。ボンボン鳴るエッジの効いたギターと、ジェットコースター張りのスピード感を持ったパンキッシュな勢いに乗せて、底抜けに明快で情緒的なメロディが臆面もなく流れていく。ボーカルもコーラスも澄み渡っている。一切の迷いがない。ただがむしゃらにわかりやすくてキャッチーな音楽をつくる。そのことに徹しきっている。

芸がない、安直、浅薄、大量生産の商業音楽。批判しようとすれば、なんとでもいえます。しかし彼らのあまりに無防備で一直線の姿勢を目の当たりにすると、口をつぐんでしまう。確かに安直かもしれないけれども、受け狙いでやっているわけではない。「エモ・パンク」と分類されることは、必ずしも商業的な成功を約束するわけではない。80年代の「産業ロック」が、どこか確信犯的だったのと比較すると、FOBに打算はない。この明るさの追求はいったいどこからくるのか。いったい何を目指しているのか。考えはじめると、はたと困ってしまう。

2年ほど前にリーダーのPete Wentzはオーバードーズであわや死ぬところでした。Elliot SmithやIan Curtisに心酔する彼の、一種の自殺願望のあらわれです。ひとりになろう、ひとりになろうとした結果だと、Rolling Stone誌のインタビューに答えています。

FOBに死のにおいはまったくありません。むしろ死と対極の「生」をひたすら鼓舞するように、いのちのクラッカーをパンパン鳴らしていきます。そこにちゃんとした理由はありません。ひとりになろうとした先に、雲ひとつない青空が広がっていた。そうなのかもしれませんし、そうでないかもしれない。

FOBは一生懸命になって空を真っ青に埋め尽くそうとしている。ポジティブの限界を突き詰めようとしている。そうすることでしか存在が知覚できないくらい徹底している。そんな彼らの青空を前にすると、これはもうただ受け入れるしかないと思ってしまうのです。


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