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Eurythmics - Peace [Artist D-F]


Eurythmicsは何だか終わる気がしないバンド(デュオ)です。間違いなく80年代が全盛でした。20世紀初期のブニュエルやダリのシュールレアリズムを、バンドキャラクターのテイストに使うセンスは、他のポップバンドの中にあって抜きん出て目立った。さらに宇宙人のようなAnnie Lennoxの雰囲気は、容易に人を寄せ付けないオーラを放って、神秘性を維持するのに一役買った。

90年代に入ってバンドの神通力が落ちてきたことを実感すると、あっさりとソロ活動に脱皮して、見事にメタモーフォーシス(変身)を遂げた。ポップアイコン以上に、自らの創造性で作品を作っていくことのできる、自立したアーティストであることを証明して見せました。

本作は、そんな90年代の終わりに再びEurythmics名義で発表した10年ぶりの作品です。

ひとつ確かなのは、80年代のギミックはまったく使っていない。シュールも宇宙人もここにはなく、2人のアーティストの等身大の音楽が飾ることなく提示されています。メロディックなポップから、ギターがうなるロックまで。ラブ・ソングから、ポリティカル・ソングまで。主張すべきことをきっちりと主張しながら、一級の音楽エンタテインメントがプロフェッショナルに詰め込まれています。

10年間ガレージに眠っていたツーシーターのアルファスパイダーを引っ張り出して久しぶりに乗ってみる。昔はいきがって飛ばしていたけれども、今はフロントガラスの周りを通り抜けていく風の流れを楽しむ。流線型のスタイルと、自分の生活スタイルの相似形に想いを馳せる。ずいぶんと景色も自分も変わったけれども、このハンドルの感触は変わらない。もう一度、世界にこの車の走りっぷりを見てもらいたい。ピニンファリーナのビジョンを青空に投影したい。DaveとAnnie二人が乗り込んだEurythmicsはそうやって爽快に駆け抜けていきました。

彼らのスパイダーはまた車庫の中にしまわれてしまいました。何となくまた2009年に10年ぶりにロードショーが行われる気がする。乗り手がその都度成長して大きくなっていくにしたがって、また違う走りっぷりを見せてくれる。そんな変幻自在の名車は、いつでも走れるようにチューニングされているはずです。


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deacon_blue

☆ ユーリズミックスでいちばん好きなのは,アレサの復活に時を合わせて出したヤツ。名前忘れたけどアニー・レノックスがアリーサ(アレサ)とタメ張っていた曲がメチャクチャ格好良かった。
by deacon_blue (2007-02-12 00:36) 

鯉三

deacon_blueさんのおっしゃっている曲、sisters are doin'it for themselvesですね。わたしもこの二人の掛け合いには興奮しました。
ところでこのアルバム、まだ聴いていません。聴く機会あるかな...
一般受けしないけど、Dave Stewartはセンスのいいミュージシャンですね。かなり以前からボブ・ディランなんかが彼のことをすごく気に入ってますよね。
by 鯉三 (2007-02-12 02:44) 

ezsin

deacon_blueさん、鯉三さん:
Arethaとのデュエット、力入っていましたよね。声質もどこか似ているところがあります。片やQueen of Soul、片やDiva of Pop。ともに音楽シーンを引っ張っていく気概のようなものを感じます。

このアルバムは確かにスポッと抜け落ちているところがあって、聞く機会がなかなかないですね(笑)。
Dave Stewartはときどき、Keith Richardsばりにキメたギターリフを乱発することがあって、「ああ、本当はこういうのが好きなんだね」と同情してしまうことがあります。本作にもそんなナンバーが2曲あって、かっこいいです。Annieの陰に隠れてしまっているところがありますが、サウンドメイキングの要をしっかり押さえていますよね。
by ezsin (2007-02-12 16:23) 

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