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Dexy's Midnight Runners - Searching For The Young Soul Rebels [Artist D-F]


ブログの基本色をグリーンにしているのは、この作品のジャケットを意識しているからです。不安と決意に満ちた表情の少年が、トランクを抱えて振り向く瞬間を捉えた印象的な構図。「若き心の反抗者を求む」という胸のすくタイトル。力強さとほろ苦さの詰まったサウンドもろともグリーンのカプセルに封じ込めて、心の中に大切にしまってあります。

Soul Rebelsには、もちろん「心」とともにソウル・ミュージックへの想いが込められている。Kevin Rowlandは、文字通りソウルの未来を追い求めている人でした。

80年代当時、こんなに50年代、60年代のソウル色を出すのはかなり大胆でした。時はエレクトロポップの隆盛期。ブラスの音がするだけで「ダサイ」と言われかねない。「Jackie Wilson?誰それ?」が普通の反応。もちろん本国では、時代に迎合しないそのまっすぐな姿勢が支持されましたが、悲しいかな、流行としての「本格ソウル」という見方をされてしまった。Come On Eileenの爆発的ヒットで主流化してしまうと、とたんにヒットメーカーを期待されてしまった。Kevinの思うところはそんなところになんかなかったのに。

彼は何を探していたのだろう。Soul Rebelsって誰なのだろう。

Dexy'sのデビュー作である本作が未だに色あせないのは、ここに「輝ける瞬間」が刻まれているからです。ブラスの暖かい躍動感、メロディが引き起こす胸がつかえるほどの高揚感、絞り出される声の深い振動。ソウル・ミュージックの中に、今この瞬間を信じられないほど輝かせる可能性を見出していたのだと思います。

Kevinがデビューから一貫して探し求めていたのは、もっと輝く瞬間、もっとソウルが打ち震える瞬間です。彼は流行のエレクトリックな仕掛けの中にも、うるさいだけのギターの中にも、それはないと確信していた。そのことでRebelsと宣言しなければいけないことも、最初から覚悟していた。

このことを不幸と考えるか、かっこつけの美学と捉えるか、それぞれの自由です。ただひとつ言えることがあります。信じて追い求める姿があるからこそ、サウンドが生きている。本当にこの音楽がかっこいいのは、これがソウルだからではなく、「Searching」という一途な進行形だからです。

Kevin Rowlandは、今でもソウルを捜し求めているに違いない。このブログのグリーンは、ずっと変わらない彼に対する敬意の印なのです。


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コメント 4

鯉三

実は密かにそうではないかと思っていました。冗談のような話ですが...
このアルバムのジャケットはわたしにとっても思い出深いものです。学
生時代の記憶が蘇ります。でもその音楽の素晴らしさを享受できたのは少し後でした。情けない...
by 鯉三 (2007-02-24 20:21) 

ezsin

ええ!鯉三さん、するどすぎる勘です。びっくり。
このジャケットはかなりフェイバレットです。
いろんなことと一緒に脳裏に残るアルバムですね。
音は確かにちょっととっつきにくいところあります。そこのところを超えちゃうと素晴らしい世界が待っているんですよね。
by ezsin (2007-02-24 21:19) 

deacon_blue

☆ このレビューに心よりRespectを捧げます。いずれ自分自身のレビューでもしっかり書きます。素晴しいレビューをありがとう。
by deacon_blue (2007-02-25 23:58) 

ezsin

ありがとうございます。deacon_blueさんのレビューがぜひ読みたいです。しかも3部作全部の!
by ezsin (2007-02-26 23:19) 

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