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The Stooges - The Weirdness [Artist S-U]

なんと、Stoogesの新譜です。
ちなみにStoogesというのは60年代末に存在したバンドです。決してShinsやStrokesの親戚ではありません。34年ぶりですよ。Iggy PopもRonとScottのAsheton兄弟もいる。フリーキーなサックスを吹くSteve MacKayもいる。幻ではありません。しかし新譜といわれても困ってしまいます。

Bryan Ferryが寄る年月と格闘している一方で、この人たちに老いという概念はない。34年ぶりに墓場から復活したゾンビです。Iggyの形相はほんとうにゾンビです。恐ろしい。何がWeirdnessといって、この作品そのものがWeird(奇妙)極まりない。

むちゃくちゃなギターソロは控え、素っ頓狂な叫びもない。驚くほどシャープに今の時代を捉えている。ヘビーでパンクっぽいなかで聞かせるメロディアスな側面も、60年代でも70年代でもない。乾いたトーンでさらりと料理する速度は2007年のスピード感。しかしそれは一種の錯覚。実はほとんど変わっていない。粗暴な感触は2作目Fun Houseそのもの。時代にフィットしているようで、彼らは34年前となんら変わらない姿勢でただノイズを発生させているだけです。

なぜ今改めて「Stooges」なのか。

これはひとえにIggy Popの怨念です。ロック史的に見ると、Stoogesの残した3作品は画期的です。イデオロギーに束縛されない衝動の音楽的解放という離れ業を成し遂げている。当時はほとんど相手にされませんでしたが、彼らを見て衝撃を受けたごく少数の人たちが動きだした。間違いなく何かのスイッチをこの人たちが入れたのです。

しかし現実は非情。彼らがきっかけを作った大きなうねりは、怒涛のように押し寄せて、彼らのそばを通り過ぎていった。スターダム、名声、成功。グラム、パンク、グランジ、ガレージ。全部、他の人たちが奪っていった。気がつくと上半身裸で走り回っているIggyの悲しい姿だけがポツリと残された。

あれから30年。時代がStoogesに追いついたわけではない。Stoogesを演ることが旬になる。これはロックが同じところで足踏みしていることを物語っているのではないか。衝動の解放から、ロックは何か進歩したのだろうか。そう、VelvetsもPistolsもNirvanaもGreen Dayもみーんなここにあるんだぞ。結局は俺たちがやっていたチンピラ・サウンドじゃないか。そう主張するためだけにIggyはStoogesの看板を掲げる。いやみたっぷりに。

「おい、これほどWeirdなことねーじゃねーかよ」

Iggyの不吉な高笑いとともに今のシーンをシニカルに見つめる。これははじめてIggy Popがイデオロギーをまとった瞬間なのかもしれない。進化へのアンチテーゼとしてのStooges。

しかし、進歩しているかどうかは別として、こういう自己批評/自浄作用を内包しているから、ロックという表現形態は先鋭的で居続けられるのです。


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deacon_blue

☆ これ読んでいてふと気がついたこと。どうして柴山さんや鮎川さん達が自分達のバンドに「サンハウス」という名前をつけたか。。。ストゥージズから来ていたのだろうなと。。。そう思うとあれはあれで凄く良く分かる。「Funhouse」の息子達で「Son House」だったのだと(^o^)。
by deacon_blue (2007-03-07 12:32) 

ezsin

なるほど、そういう読み方、ありですね。
Son Houseは伝説のブルース・マンというとあまりにストレートで芸がないです。しかし、あの音でFun House(お化け屋敷)とつけるStoogesの感覚も最高です。
by ezsin (2007-03-07 23:57) 

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