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Ry Cooder - My Name Is Buddy [Artist A-C]


7年ぶりに北京を訪れました。2008年のオリンピックに向けてここも激しく変わっています。鳥の巣のようなメイン競技場がまずすごい。そのほかに、斜塔を二つ建てて、その上を橋でつなぐという大胆不敵な高層ビルも建築中。足場を見ましたが、まるでバベルの塔を建てているかのように上のほうでどうなるのかが見えてこない。これは高度成長の象徴なのか、人間の思い上がりの成れの果てなのか。

道行く人たちも、ホテルで働く人たちも、タクシーの運転手も、何かにせきたてられるようにせわしなく動き、身体に充満しているエネルギーを放出させているようです。

そんな北京の北西部にある後海は、憩いの場として再開発されている地域。ふと立ち寄ったのは茶家傅という茶館。木漏れ日が差し込むゆったりとした空間に、清と明の時代の調度品と現代的なソファーが品よく配置されている。「イ尓好 (ニーハオ)」と鳴く九官鳥の声がよく通る澄み切った空気。

ここで、丁寧に茶器で入れたお茶と、お菓子と、隣のレストランから特別に取り寄せた餃子をいただく。いろいろと背負っていたしがらみが湯気とともにスーッと蒸発していく。歴史ある街では、流されないものも、しっかり残っているのです。

Ry Cooderの新作は、茶家傅のような作品です。まったく力みがない。カントリー&フォーク。トラッド&ジャズ。「古きよき」ではありません。せわしない現代だからこその「新しき安らぎ」。Ryの音楽の持つ暖かさは、木漏れ日のように光と影を織り交ぜる。ぱっと輝くフレーズと、ぐっと腰の据わったストローク。ギターワークもボーカルも緩急自在。1/fゆらぎの中に溶け込んでいる。

茶家傅のオーナーのご夫人は、街の喧騒とは無縁とばかりに、扇子に書かれたお茶のメニューをひとつずつゆっくりと説明してくれる。いろいろと話をしていたら、自筆の色紙まで記念にくれた。招財進寶をひとつの漢字にまとめた品のある作品。財を招きいれ、寶に進めてくれるよ、と穏やかな笑顔で教えてくれた。その目は、財よりも素敵なものは他にあるよと言っているようにも見えました。

Ry Cooderのジャケットの猫も無愛想で、福なんか呼んでくれそうもない。でも、遠くを見つめる視線の先には悩みなんかなさそうです。


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