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Rickie Lee Jones - The Sermon On Exposition Boulevard [Artist J-L]

ここで大げさな宗教談義を始めるつもりはありませんが、自分が神を信じているか、あるいは無神論者かと問われれば、無関「神」ですと答えます。いたとしてもいなかったとしても、自分の生き方はブレずに一本筋を通していたい。

もちろんいろんな悩みがあって、苦しみがあって、そんなきれいごとではいかないことはわかっていますが、それでも神がいるかいないかで問題を片付けたくない。もっと徹底的に悩み通してみたい。生き方として無関係でありたいと思っています。

Rickie Lee Jonesの新作を、もうずいぶん長いこと聞いています。何か書こうとしても、指が動かない。書けなくなるくらい、その中にどっぷりと取り込まれてしまっていました。

これは正面切って「宗教」です。キリスト教と解釈してもいいですが、もっと深い、「信じること」に焦点が合っている。十字架も復活も、正義も家族の愛も、人は何を信じ、なぜ信じるのか。心の隅々まで、社会の果てまではいずる回るようにしてRickieは問い詰めていく。

しかし、じっくり聞き込めば込むほど、筆者の意識は宗教から離れていくのです。

荒削りでざらざらした音の感触。悟りの域で落ち着き払ったRickieの声。リフとコーラスのシンプルな歌の構成。この音楽は、どんなテーマをも超えて心を捉えて離しません。気がつけばすべてを忘れて音の中にたたずむ自分がいる。

突き詰めていくと宗教は音楽になるのか。

少なくとも筆者にとってこの作品の中で二つは同義です。神を超えて、「ブレない一本の筋」としての宗教は、音楽なのかもしれない。言葉にできなくても、Rickieの音楽の中に平安がある。「何を信じ、なぜ信じるのか」。Rickieの発した問いは、その純粋さゆえに、問い自体が帰着点になっている。問うことそのことの大切さを彼女の音楽が体現している。それが「答え」だとは言いません。ただ、問うことの呪縛からわたしたちは解放されるのです。

これを「涅槃」とでも「天国」とでも呼べばいいのかもしれません。筆者は、もうこれ以上を求めるつもりも必要も感じません。


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コメント 4

deacon_blue

☆ あのクールビューティっぽいデビューをした彼女が,どんな道筋を辿っていったのか,少し興味が湧きます。
by deacon_blue (2007-03-15 23:49) 

ezsin

ポップ、ジャズ、トリップホップと七変化しながらも本質は変わっていないと思います。本作は「オルタナ・フォーク」といえるような感じ。それでも独特のビューティーが光っていると思います。
by ezsin (2007-03-16 22:40) 

ニュースとか、誰かの言葉を読んだ時などに、神様の存在や宗教の事など考えたりします。私は、神様はたぶん居ないんだろうなぁと思っていますし、無宗教を通したいし(日本人的慣習みたいなものは、普通にしますけど~)、その辺りに関しては、誰にも譲れないと思っています。(こういうの書いて大丈夫なんでしょうか。お任せします。)

でも、掛け値なしに信頼できる人や、何かや、音楽というものは確かにあると思っています。

この作品を最初に聴いた時思ったのは、もちろんベテランならではの味もあるには違いないのですが、なんか若い!ってことでした。新人バンドの音と言っても通用しそうな。そして、もう1つの私の勝手な印象は、レビューなどで挙げられているアーティスト以外に、なんだかR.E.M.に通じる雰囲気があって不思議な感じがしました。
by (2007-03-21 00:49) 

ezsin

いつも新鮮な音を出す人ですよね、Rickieって。
REMとは神々しさというか、全てを受け入れる度量の大きさというか、そういうところが確かに合い通じるところがあるかもしれません。
宗教に真剣に向き合うということは、自分自身と対峙することでもあると思います。突き詰めれば自分は何なのだろう。
アーティストにとっても同じこと。
RickieもREMも常にそんな真剣さで音楽に向かっているのだと思います。
by ezsin (2007-03-21 11:12) 

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