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The Cinematic Orchestra - La Fleur [Artist A-C]

スローモーションで流れていく落ち着いたシネマチックなサウンド。
ときどき波紋が広がっていく静かな湖面を眺めているよう。
ただじっと見つめているだけで時間が過ぎていく。
空虚ではなくて、詰まった頭脳に空白を作る作業。

ソフトなボーカリゼーションは、歌を歌うというより身体を包み込むセラピストの優しい手つきのよう。言葉が無意味だといっているわけではありません。確かに語りかけてくる。サウンドと肉体をつなぐはたらきをしている。無理をしない上品な語り口が、聞き手が大切にされているというリッチな気分にさせてくれる。

ストリングスが奏でる旋律はどこかの場面を想起させながら、主人公としての聞き手を、常にそのシーンの中に招き入れる配慮が行き届いている。The Cinematic Orchestraの至近距離の音作りは、自分のために鳴っていると思わせる魔力を備えているのです。

一方で、間に挟まる時に無表情のサウンドコラージュが、あるがままの天然の風景を垣間見せ、お仕着せの演出感を和らいでいる。押しと引き。ごく自然なつくりに見立てた一級の造形。

気がつけば、ぽっかりと空いた意識の空白が、豊かなイメージで満たされている。
映像のない風景、触覚のない質感、香りのない芳香。サウンドだけでここまでの情景を感じることのできる贅沢。時を忘れて浸っていたくなります。


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