So-net無料ブログ作成
検索選択

Dolores O'Riordan - Are You Listening? [Artist M-O]

Doloresの声は様々な顔を持っています。時に聖者のようで、時に小悪魔のよう。無邪気な少女であったり、狡猾な才女であったり。静かに語りかけていたかと思うと、かすれ声で叫ぶ。表現の幅の広さを誇っているというより、一人の多感な人間が、回りに翻弄されながら自分の出すべき声を求めているような感じ。

そしていつもしかめっ面で笑わない。

Cranberriesというバンドの要塞を抜けて、ソロとしてのDoloresは意外にも鎧をはずしている。ここにはわたしたちがイメージし、求めるDoloresの姿が気前よく披露されている。キッチュなポップ、風景的な広がり、トラッドの香り、バンドっぽいギター、そして奔放で一人で羽ばたいていくボーカル。

ニコニコとまではいかないけれども、Doloresの微笑が感じられる。

どの曲もぐいぐいと背中を押すようにわたしたちを元気にしてくれる。ちょっと湿っぽい出だしも、あっという間にエネルギッシュにエスカレートしていく。ポップは春の日差しのようにキラキラとまぶしい。

しかしそれでもどこか身につまされる切なさが、心の奥底からじんわり染みてくる。キラキラの元気も、前に進むパワーも、どこかへ逃げ出そうとする悲しさが宿っているように感じてくる。強がらない分、無防備な姿勢が胸を打つ。しかめっ面で過ぎる町並みを眺めていた彼女の視線は、今も変わらない。いろんな声で語りかけようとした、語りかけずにはいられなかった彼女の声の源は今も変わらない。それはきっと涙をたっぷりと溜め込み、届くことをあきらめた悲しみなのだと思う。

Are You Listening?
彼女は大きなスマイルを浮かべながら、今日も聞こえない泣き声をあげている。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。