So-net無料ブログ作成

Linkin Park - Minutes To Midnight [Artist J-L]

確かに変なアルバムです。
今までのような勢いがなく、喧々諤々の大騒動になるのもうなづける。
いろんなタイプの曲が混在し、アレンジも多様。奇才Rick Rubinの起用、何年間も待たされた挙句の3作目にもかかわらず、なんとなく中途半端な印象。だけれどもこうなる必然性も十分すぎるほどわかる。やはりLinkin Parkの3作目はこうじゃなきゃいけないんだと思う。

みんなずっこけるのは、それだけ期待が大きいとともに、それだけ「予想されている音」があるということです。早2作でLinkin Parkは、自分たちの音のアイデンティティーを打ち立ててしまった。いいことであるとともに、バンドとしては早世しすぎた悩みがあったに違いない。大げさには危機感といってもいい。

乱暴にいうと、ファーストはヒップホップとハードロックの根っこは、音の衝撃力の点においてまったく等しいことを世に示した作品。それがハイブリッドの理論(Hybrid Theory)なのだと宣言した。セカンドは、ファーストの音の衝撃力を、隕石(Meteora)のように既存の音楽シーンに正面からぶつけた作品。いわば硬直したシステムを芯から揺さぶろうとした。

巨大なセールスに裏打ちされて、彼らの存在意義は十分に証明された。

さて、次にどうする?

はっきりいうと、ファーストは今となってはあまり聞けない。ヘビメタっぽいリフはやや大仰だし、ラップも普通といえば普通。セカンドも衝撃こそ衰えていないものの、2007年に再び隕石となる力は持っていない。いい悪いを言っているのではありません。Linkin Parkの存在価値とは、常にシーンを揺るがす地殻変動の大きさにある。地殻変動を起こさないLinkin ParkはLinkin Parkではないのです。

2007年にHybridのMeteorを落とすことはひとつも面白くない。多様化したジャンルがひしめき、EminemもNINもかつてほどのスキャンダルを起こせない時代にあって自分たちはどうすればいいのか。そのことにもっとも早くに気づき、誰よりも考えていたのが彼ら自身だったのでしょう。

これは彼らが仕掛けた巨大な急ブレーキです。
ファースト、セカンドの流れの中で、世の中のほとんどのファンは、怒涛の流れのサードを期待した。それはやってしまうともはや止めることのできない予定調和のサイクルへの突入。大きなセールスは期待できるものの、成長は止まり、ピークからの衰退、良くて維持の「普通」への道。

そんなもろもろに対しての「NO」が本作です。

ただ、良くも悪くも急ブレーキ。これが決して答えではありません。
「今までの曲作りのすべてを疑問視した」というMike Shinodaの方法論を悪いとはいいません。しかしそれはやはり「否定」でしかなく、創造ではない。
A+BでCを生むのだという明確な創造の目的に裏打ちされたファーストとは違う。
急ブレーキの次の発進が重要なのは言うまでもありません。

皮肉な話ですが、急ブレーキが今のシーンに起こせる彼らの最大の地殻変動です。
Linkinが今までのLinkinでなくなった。
ファンから見れば蜂の巣をつついたような騒ぎですが、傍観者にとっても、再びこのバンドから目が離せなくなった。

次の発進に向けての衝撃のもとが渦巻いている作品ではあります。
ギターリフは、直情的な勢いから深みに変わっている。緩急自在はバンドの表現力の幅を広げている。何よりも、多様なものを吸い込んでエネルギーが内にこもっていく充満感が溢れている。

いったい何がここから生まれるのか。
評価を短絡的にしてしまうのは避けたいと思います。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0