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The White Stripes - Icky Thump [Artist V-Z]

The White Stripesがこれまで一貫して用いてきた視認性の高い白黒赤のアートワークはBarbara Krugerの作風を思わせます。決められた様式の中で直接的な表現を志向するところは、根本的に合い通じるものがあります。彼らは何を表現しようとしているのでしょうか。

ヘビーで引きずるようなリフ、切れ味鋭いシャウト、緊張感溢れるソロ。
Icky Thumpは彼らの基本フォーマットとも呼べるプリミティブな作品です。
ブルースに根ざした表現スタイルはあるいは古いと感じるかもしれません。
しかしこれは単なるブルースロック・リビジテッドではありません。
まぎれもなく2007年のロックです。

White兄妹は現代においてブルースロックをやるかっこ悪さを自覚している。決して旬ではない。若い普通の子は聞かない。明らかにトレンドのロジックから外れている。それでもあえて取り上げる。趣味として自己満足しているわけではない。全世界を敵に回しても、この音で勝負するのだという気迫に溢れている。このスタイルを信じ、これ以外にないと腹を決める。あとはその信念をひたすらに音のパワーに昇華させるべく努力する。

彼らのこだわりは伝統の捉え方にあります。
ただこのスタイルが好きだから演っているとは思えない。
もっと深いところに必然がある。
激しく攻撃的な中にも、どこか母性的なもの、包み込まれる安堵感のようなものが宿っている。トラッドな曲想の中だけでなく、痙攣する爆音の中にも脈々とそれを感じる。営々と続くブルースの歴史、激しさの根底に積もり積もった先人たちの生き様。そんなものがこの音の中に息づいていることを彼らは知っている。ここまで生き続けてきた音楽のいのちを引き受ける覚悟を持っている。

彼らが追求しているは「アイデンティティ」です。
自分が信じる音をこの世に問い、存在意義を確かめる。
この音が今の時代において必然であることを確認していく作業がThe White Stripesの音楽活動です。一瞬一瞬にその想いが込められている。
ここまで真剣な気持ちにさせる音はそうそうない。
素通りできない。その一点にこの兄妹はすべてを賭けているのです。

Barbaraの有名な作品「I shop, therefore I am(買い物をする、故に我あり)」に倣っていえば、The White Stripesはこう叫んでいるのです

I Rock, therefore I am


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コメント 4

ストライプス、2001年のガレージ・リバイバル時に
どっかんと売れてしまって、今まで手を出していませんでした。
(曲がむちゃくちゃカッコいいのは知っていますが・・・)
その時期は努めてアンダーグラウンドな方向のバンドを
聴いていたような気がします。
今思うと、ばかですね~・・
by (2007-06-20 01:47) 

ezsin

売れすぎちゃうと敬遠しちゃう気持ちよくわかります。アンダーグラウンドに走る気持ちも(笑)。
わたしも最近ですね、両方を区別なく聞けるようになったのは。
まだアングラが多いかな、それでも・・
by ezsin (2007-06-20 10:26) 

これはいいです、21世紀のロックンロールですね。トラックバックさせてください。
by (2007-07-16 00:12) 

ezsin

どうぞ、どうぞ。
なるほど21世紀のCarpenters。創造のエッジにいる点ではまさに同じですね。ドラマーはドラマになりますって失礼・・・
by ezsin (2007-07-16 00:26) 

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