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Britta Philips & Dean Wareham - L'Avventura [Artist P-R]

男と女。
すべての二元論の根底にある引力/斥力/重力。
音楽においても、テーマとして永遠であるだけでなく、作り手の関係の上でも興味深い。男女のデュオはそれだけでひとつのメッセージ。補完しあうパートナーシップであったり、対峙する概念のメタファーであったり、一体化の象徴であったり。

BrittaとDeanは元Lunaというバンドのメンバー。
二人名義のアルバムが2枚出ていますが、その一枚目。
ここにあるのは、ごく普通の日常としての男女。
外で働いてくる男と、食事を作って待っている女。
ダイナーで皿洗いをする女と、カウンターでビールを飲む男。
微笑む女と、ほくそ笑む男。
殴る男と、叫ぶ女。

インディーにずっといた二人らしく、淡々と、しかしリアリティがたっぷり染み込んだしっとりしたロックを聞かせます。フォークのいでたちに、オルタナティブのブーツを履き、ストリングスのジャケットを羽織る、そんな感じ。Toni Viscontiプロデュースが彩を添えるけだるい世界。

Deanの声はいつものようにそっけなく、沈み込んだくぼみから聞こえてくるうめき声のよう。Brittaは乾いた色気を気にすることなく、細い声を精一杯に響かせる。

もしかして気づかないかもしれないありふれた一場面。
世の中で何万回と繰り返されているとりとめのない日常。
BrittaとDeanはそんなところを音楽にする。
そんな日常が貴重だからではない。日常は日常でたいしたことない。
それでも音楽にする。

Threw It Away。
「ニューヨークで生まれた。ギターしか弾けない。でもそんなもの捨てちゃった」
「ちょっとやそっとじゃ出会えない恋人がいた。でもそんなもの捨てちゃった」

一日たったら捨てちゃうような日常。
今日会ったあなたも明日には無関係。
そのはかなさのリアリティがすべてです。
明日には忘れられている音楽がいちばん生々しいことをこの二人は知っているのです。


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