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The Editors - An End Has A Start [Artist D-F]

突き抜けた向こう側にあるもの、それがThe Editorsが探しているものです。

自他共にJoy Divisionを意識している。声はIan Curtisに酷似、アレンジもアートワークもはばからずに真似ている。指摘するほうは簡単ですが、果たして本人たちはどう思っているのでしょうか。よく考えてみれば、かなり大変なことなはずです。

何しろ唯一無二のバンドです。Ianは自殺して、伝説になっている。真似ようと思って簡単に手出しできる類のバンドではありません。雰囲気やサウンドエフェクトを借りてくるのは簡単ですが、そんな子供だましはすぐに行き詰まる。ましてや声が似ているとなると、音楽活動を躊躇したくなるくらい重たいハンデのはずです。

The Editorsはそれでもまともにぶつかっていく。

Joy Divisionを意識しているとはいうものの、音楽は髄から肉までまったく違うものです。表層の奥にある想いは軽くて明るい。ポップで情緒的なメロディは、Ianが抱えていた感情とは違うベクトルを持っている。2007年感覚をしっかりと持った、今を生きるバンドです。それでもあの暗黒の80年代に執着している。

彼らを支えている精神は、追い詰められる先に何かが開かれるという信念ではないでしょうか。

Ian Curtisの遣り残したものを引き継ごうなどとは思っていない。Joy Divisionの生まれ変わりだなどとも思っていない。もちろん表層だけを似せようと思っているわけでもない。この何か大きくて重くて停滞しているもの。わたしたちの上に重石のように乗っかっている絶望と希望の拮抗した緊張感。そこに飛び込んでいくことで何かの答えを見つけたい。そこに何か見出されていないものがある。そこに追い詰められることでしかつかめない未知の音がある。彼らの真剣な音からは、聞いたことのない凛とした情感の手ごたえを、しっかりと感じることができます。

飛んで火に入るEditorsは決して刹那的ではなく、向こう側に新しい生まれ変わりとして飛び出してこれると思っている。だから伝説のIan Curtisの装束をまとい、燃え尽きた灰のようなモノトーンの音を真剣に探求していく。

灰の中に眠るダイヤモンドを求めて。


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