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Smashing Pumpkins - Zeitgeist [Artist S-U]

Smashing Pumpkinsは洒落ではなく、ジャック・オ・ランタンのようです。ハロウィンのときの中身をくりぬいたかぼちゃ。

サウンド的には、70年から80年代にかけてのハードロックが持っていたダイナミックで劇場的な外向的要素と、90年代のグランジやシューゲイズが持っていたヘビーで不協和音に満ちた内向的要素を両方持っていた。まるで引力と斥力が釣り合うように、バランスの取れた音を形作っていた。

その均衡の中心には、しかしぽっかりと空いた空間があった。Queenが持っていたショーマンシップも、Nirvanaが抱えていたジレンマもそこにはなかった。表向きの攻撃的な歌詞はあまりに直接的で、実際のところ、深刻な問題を提起していたと思えない。それはジャック・オ・ランタンの険しい顔のように、険しい顔としての表現だけのためにあったといっていい。Billy CorganはことさらPumpkinsの「中身」、うちに抱えるテーマや問題をそこに詰め込もうとしていたとは思えない。器として空虚なままで残す。そこに表現者としてクオリティを置いていたと思います。

からっぽはそこに何も入れていない軽さであると同時に、何もない虚無をそれとなく示している。ただ何もないのではなく、何もないことに象徴的な意味を持たせる。巧妙にデザインされた表層のハードなサウンドや歌詞が、それを可能にしていた。Nirvanaほどのものを抱えずに、しっかりと時代のバンド足りえたのは、「軽いのに重い」という矛盾する表現を実現していたからだと思います。

2007年のZeitgeistも、しっかりジャック・オ・ランタンです。
つややかで魔女的なBillyのボーカルも、多層化されたギターのレイヤーも、実に気持ちよく鳴っている。空虚な器をたたくがゆえに生じる響きは、まるで木魚のよう。たたきすぎるとつぶれる(Smash)のを寸でのところで抑える緊張感に満ちたハードサウンドは、警鐘のように時代にとどろいています。

そして、かぼちゃの中身はあいかわらず何もない。覗き込んでも、ほじくり返しても、何も出てこない。Revolution!Revolution!と連呼するUnited Statesには、未来も変革も実態として伴っていない。そんな突き放した姿勢が、余計に切迫してリアルに聞こえてくるから不思議です。

音の重量感も、時代の空気を感じる感性も、鈍っていません。
突然目の前に置かれた、大きなジャック・オ・ランタン。
このシチュエーションをどう切り抜けるのか。
これはわたしたちに課せられた問題であるのです。


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