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Gearwhore - Drive [Artist G-I]

ハードディスクにたまった音楽のバックアップをとろうと、ほぼ半日作業をしていました。RAID型の大容量ディスクにするよりも、分散型のDVDにこまめに移していくのが筆者の好み。先日、あっという間にハードディスクが壊れたこともあり、一箇所に大量に保管するのはどうも不安になってしまう。

その間、PCが使えないこともあり、CDの棚を漁って古い98年ごろの本作を引っ張り出してきました。ダンス・エレクトロニカ系のAstalwerksから出た、ビッグビートとテクノを融合したようなエッジの効いた音。

CDは工業製品の側面も持っています。機械で大量生産されたディスクもケースも、印刷されたジャケットも、社会の役に立つために提供された機能性を持つ商品でもあるのです。Gearwhoreの機械的でミニマルなサウンドは、そんな機能的な側面を匂わせています。

モーターの回転音か、金属が摺りあう音かに近いギターのサンプリングをループ状につなげ合わせ、一定間隔で打ち込まれる衝撃波のパルスに乗せて、何の装飾も施さずにダイレクトに耳の中に伝わってくるこの音群は、感情の解釈をすっ飛ばして脳波の電流にそのまま変換されていく。脳が機械的に処理していく感じなのです。

DVDにコピーされていく状況を示すレベルメーター。30%、50%と四角い箱がひとつひとつ進んでいくのをじっと眺めているときに、Gearwhoreのこの音は実にフィットする。退屈な時間を紛らわせてくれるという意味ではありません。レベルメーターの無味乾燥な動きとほぼシンクロしているのです。

この思考が止まったような単純作業も、私たちが生きる現代の一部です。考えてみれば、私たちはデジタルで無機質な時間に埋もれている。コピー機の前で50枚の印刷物がたまるのをじっと見つめ、電子レンジで冷凍スパゲッティが温まるのを3分間じっと待つ。満員電車の中で40分間無言で立ち続け、朝、机に座るとWindowsのロゴをボーっと眺める。

感情のかけらもないエレクトロニック・ビートは、そんな現代の私たちの姿が投影されている。モダンタイムスのような批判でも警鐘でもありません。私たちはすでにデジタルな生き物になっているし、こういう音楽をエネルギーとして必要としているのです。ちょうど電子機器がバッテリーを必要とするように。


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deacon_blue

☆ 気がつけばこうやって少しずつキカイに支配されている私達。。。
by deacon_blue (2007-07-15 02:04) 

ezsin

カラダの一部はすでに機械化されているのかもしれません。キーボードや携帯をたたく指や、脂肪の大容量ストレージと化したオナカなどはすでに人間じゃない。わたしたちは半分サイボーグ化しているのかも・・
by ezsin (2007-07-15 15:21) 

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