So-net無料ブログ作成
検索選択

Hannah Fury - Through the Gash [Artist D-F]

1920年のベルリン。Kurt Weillのオペレッタの世界。
現代によみがえる寓話としてのキャバレーとサーカスの退廃。

彼女が乾ききらないマニキュアの指にフッと息を吹きかけると、魔法の合図のように宝石箱のふたが開く。中から飛び出した黒いハトと白いコウモリに思わず腕を上げて顔を覆うと、悲しい笑い声が耳元をなでていく。そっと宝石箱のそこを覗き込むと、人の顔をした蛙のマリオネットが、オルゴールのねじを回している。

彼女の名前はHannah Fury。
ひとり、ビクトリア朝のドールハウスの中で緑の猫の毛をなでている。

ピアノの旋律が先導を切り、オルゴールやチャイムや金のブレスレットを模したキーボードが後に続く。ささやきとため息と白い息遣いを引き連れたHannahの多重音声があなたの耳元にねっとりとまとわり付く。そう、これは幻想のパレード、箱庭のカーニバル。

幻想と現実、秘密と告白、清純と邪悪。彼女のテーマは二律背反。相容れないものがひとつに融合すること。

彼女のサイトを通してたどり着くことのできる、彼女が敬愛するという写真家Mia Hansonと、人形作家Scott Radkeの摩訶不思議な世界。Hannah含めてこの三人の意識は通じ合っています。Miaの空間で、Scottの人形たちが、Hannahの音楽に合わせて踊っている。

思わず頬ずりしたくなるような愛らしさと、身の毛もよだつぞっとする嫌悪感。両者の境は紙一重。もしかして根本は同じかもしれない。気持ちよさと気持ち悪さが一緒になる。そんな場所がこの世には存在するのかもしれません。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。