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Buffalo Tom - Three Easy Pieces [Artist A-C]

タイトルは遠い1970年のJack Nicholson主演のFive Easy Piecesにあやかったもの。自由でかっこよく生きようとするものの、惨めで投げやりな結果しかついてこない。ほとんど日常以下のつまらない境遇の中で、かっこ悪さ丸出しに、じたばたともがく姿は、それゆえにものすごいシンパシーを見るものに与えた。

レストランでオムレツすら食べさせてもらえない。
「ただのプレーンオムレツをくれないかい?」
「それはできません。セットでポテトとパンがつきます」
「だからポテトとパンなんていらないからオムレツだけくれよ」
「マネージャーを呼びましょうか?」
何も食えずに水をぶちまけてレストランを出て行くシーンは、爽快感とともに、やりきれない不毛感に満ちている。相手のウェートレスだって同じ境遇。今でも世の中こんなものです。

Buffalo Tomは、もうベテランと呼べるロックバンド。グランジのうねりの中で生まれ、インディーの浮世の中で、かっこいいのか、かっこ悪いのか微妙なところをじたばたと生きてきた感がある。ひずんだギターの合間から覗く、叫びとも泣きともわからない小さな感情の爆発。すぐさまかき消されるようにリズムの波が覆っていく。

いろんなものを抱えながら、うまく整理できずに、そのまま音があふれ出てくる。入ってくるものが多すぎるから、処理しきれずに放出していく。

考えてみれば、きちんと理解なんてできるわけがない。きちんと筋なんて通っているはずがない。あれ?うそ?まじ?そんな「????」はどんな高速CPUでも処理しきれない。Buffalo Tomはシンプルなロック回路を通して、どんどん吐き出してしまう。解決するのではなく、やり過ごすために。「????」を「....」に変えていく。そうすることでしか私たちは前に進めないのです。

映画の最後で、Jack Nicholsonは通りすがりのトレーラーに飛び乗ってどこかに行ってしまう。どこに行くのか皆目見当はつかない。でも間違いなく今とたいして違わない同じようなところ。

Buffalo Tomも何が待つのかわからない中で、ひたすらにロック回路を通して音を吐き出していく。音を吐き出していないと死んだも同然。聞いていないと私たちも死んだも同然なのです。


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