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M.I.A. - Kala [Artist M-O]

痛快な一枚です。
実験的で前衛的な作品が、大衆性を持ち、親しみを抱かせることは極めてまれです。考えてみれば当たり前で、前衛=非大衆なところがあるわけで、所詮、矛盾したことを求めているからです。

正確に言えば、前衛と「思われていた領域」に、誰も見出したことのない大衆性の領域を新しく見出すことは、非常に難しいということです。

リスクも高いし、第一、骨が折れる。誰も分け入ろうとしない未開の地に果敢に切り込んで、そこに居心地のいい理想郷を探そうなんて、普通はしない。

だからM.I.Aの試みはその取り組み姿勢から思いっきり支持したい。

リズムの変幻自在をテーマとしながら、ヒップホップの定形にはまらず、クラブの勢いにも組しない。そもそもメロディやラップの方法論も、常道をほとんど無視していて、デモ行進の掛け声としか近似的に表現のしようのない、ぶっ飛び方。

中近東やアフリカあたりのプリミティブな装飾やパーカッションを用いながら、ユーモアと鋭い批評性を持って、まったく新しい表現様式に作り込んでいる。

もっとも、本作がすばらしいのは、一聴してその奇妙奇天烈さがわかると同時に、「面白い!楽しい!」と感じられることです。こんな変な音楽が実は大衆心理を満たす要素を含んでいること。そこを見事についていることです。奇をてらっているようで、実にしっかりとシーンを見つめ、最前線のトレンドが生まれる瞬間を捉えている。そのためにM.I.A自身、かなりの努力を払っていると思われますし、もしかして彼女の感性が時代に選ばれている、それだけの運命なのかもしれません。

ここから新しい表現の世界が広がると感じられる作品というものがこの世には存在します。本作もそんな一枚。「ここKala生まれる」。そこまで考えてつけたタイトルだったりして。すいません、ちょっとKalaぶってしまいました・・


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コメント 3

(微笑;最後の一文で)
相変わらず、人を惹き込む文章が巧いです!
by (2007-08-28 00:20) 

ezsin

Kalaかうつもりはないんですけど。
受けてもらえたらうれしいです!
こんな親父ギャグしか思いつかないんで・・
by ezsin (2007-08-28 21:52) 

ezsin

追伸:Kalaとは彼女のお母さんの名前です。あんまり遊んじゃって申し訳なくなってきたので、敬意と謝罪を込めて掲載させていただきます。
by ezsin (2007-09-27 23:06) 

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