So-net無料ブログ作成

Airiel - Battle Of Sealand [Artist A-C]

この世でもっとも重要な一枚が、Stone Rosesのデビュー作だと言っている人たちなので、信頼がおけます。90年代のシューゲーザー、マンチェスターあたりのサウンドを理想としていますが、音の感触の先に、もっと今日的なものを探っている。

轟音の渦と、繰り返されるシンプルなリフ。甘く重層的なコーラスをかき消すように空を舞う奔放なソロ。甘美と混乱。

めくるめくる幻覚の中で、ドドドーッと何かが抜けていき、何かが落ちていく。

この手のサウンドの特徴なのですが、解毒作用、整腸作用、解熱作用がある。生理的にはたらくメカニズムがある。

90年代と比較して、Airielの音はそれでも軽い。
冒頭から日本語のナレーションが入るように、しゃれっ気と、クールなファッション性を備えている。抜けていくのですが、同時に何かを吸い込んでいる。

抜けた後の空白に何かを入れていきたい。
90年代との違いはそこにあります。
Stone RosesもRideもMy Bloody Valentineも、たまりたまった鬱積したものを吐き出すのが使命だった。あの時代の閉塞感の中で、新しい音楽の方向に向けて歩みだすために、巨大なロケットの噴出口のように轟音を吐き出す。彼らの推進力でわたしたちは新しい音の地平に進むことができたのです。

2000年代は、飛び立った地平でどんな文化を花開くかがテーマです。
特に現代においては、バーチャルにまで広がる多様化したプラットフォームの中で、いかに見たことのないワールドを展開するかが楽しみです。

Airielは、轟音の先に「楽しみ」を満たそうとしている。
軽やかなビートを混ぜ、微笑を加えようとしている。
抜けていく快感をそのままパーティーにしてしまうように。

10分超もあるエンディングのThe Big Mash-Upは、Oasis & Ride plays VU Sister Rayのようなとんでもない曲ですが、とても気持ちいい。何も抱えこまずに、笑いながら轟音を歌う。こんなところまで来たんだなあと感慨に浸る瞬間です。


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

yuka

このレビュー、ぜひバンドのメンバーに読んでもらいたい!そう思いました。
NY在住の日本人女性で、ビデオクリエーターをしている方がライブに行った後
彼らをこんな表現していました。

 シューゲイザーが下ばっかり向いている必要はない
 彼らみたいに空を見上げ、楽しそうにプレイするシューゲーザーがいてもいい

って。言い得て妙だと思いました。
by yuka (2007-08-31 12:52) 

ezsin

早速、英語にしたほうがいいのかな~。
yukaさん、ありがとうございます。

実はしばらく前から、彼らにはまっています。
7月末に来日していたんですよね。DJ向けのプライベートなイベントだったので、行こうかどうしようかすごく悩みました。行っとけばよかった・・

「空を見上げるシューゲイザー」って本当にいい表現!
by ezsin (2007-09-01 03:49) 

yuka

是非、英語で書いてください。(^_^)
彼ら、きっと喜ぶと思います。

7月31日のイベントは、ヴォーカルのジェレミーが
プライベートで日本を訪れていた時にリリースパーティーという形で
米国盤発売記念のイベントを行ったという経緯です。
それぞれのDJ(ジェレミー含む)が轟音でツボにはまる音を流し
なかなか楽しいイベントでした。
今度はぜひバンドとして来日ライブを実現してもらいたいと
切に願う今日この頃です。
by yuka (2007-09-02 11:52) 

ezsin

そうだったんですか。yukaさん、行かれたんですね。うらやましいです。ぜひライブが見たいです。自称PR担当として、まずは英語の原稿おこさなきゃ・・
by ezsin (2007-09-02 22:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0