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Vanessa Paradis - Divine Idylle [Artist P-R]

「大人にならない小悪魔」
Vanessa Paradisといえば、20才そこそこでLenny Kravitzのプロデュースのもとでのセンセーショナルなキッチュ・ロック・アルバムを誰しも思い浮かべます。いたいけな子猫が毛並みを立て、爪を立てて、荒ぶるロックの嵐の中で、ガルルと咽を鳴らしている。イメージといい、サウンドといい、ぬきんでた存在感でした。

あれから何年が経つのか。
こうしてまたVanessaのアルバムを耳にする。
もはや子猫ではないし、Lennyもいない。
嵐は吹いていないし、かわいらしさも去ってしまった。
それでも彼女の声は昔のまま。
黒光りする毛並みを妖しく波打たせながら、裏返った声であなたの耳元を直撃する。

土ぼこり上がるブルース、シュールなフレンチポップ、退廃のロックンロール。
かすれゆく彼女の声に乗って、それでも魅惑のオーラが立ち登っていく。

こうとしか彼女は歌えない。
こうとしか彼女は鳴らせない。
こうとしか彼女は振舞えない。

年月の中で風化しかかっている魔力が、別の形に転化しかかっている。
妖しさが深みのある情に、かわいらしさが鋭利な美しさに、少しずつだけれども、変わっていく。徹底的に変わるまいとしてきたがゆえに、積み重なるものが見えてくる。

コケが生え、蔓に覆われても、黒猫は黒猫。
揺るがないプライドが、今日もVanessa Paradisに不老の力を与えている。


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