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PJ Harvey - White Chalk [Artist G-I]

その尖った鼻先をまっすぐ前に向け、しがらみに淀んだ日常を切り裂きながら、音速で駆け抜けていく現代のジョーンオブアーク。PJ Harveyに重ねる筆者のイメージです。

ショービズ界であろうと、日常生活であろうと、彼女を取り巻き、窒息させようとする黒い大きな手。女性偏見、オルタナティブロックへの過剰な期待、特異なキャラクターの意味付け。自分自身がなにものであるかを追求する旅であるとともに、彼女を打ち落とそうと放たれる銃弾の嵐の中をくぐる生存競争でもあった。

彼女が尋常ではないオーラを発し、私たちオーディエンスが固唾を呑んで手に汗を握らされてきたのは、抜き差しならない真剣勝負を洗いざらい見せてきたからです。

「裸の感性」。肌と肌がギシギシと摺りあう生身の感覚をそのまま彼女の作品から感じてきた。音楽がこれほど生々しいことを彼女を通して知った。

彼女の旅は終わらない。

ほとんど不可分と思われたギターを使わず、全編ピアノ中心の新作。度肝を抜かれるよりも、その深遠で説得力のあるサウンドにぐうの音も出ません。

ピアノの音はもぐっていく。
深く深く、深海の底に潜っていく。
Pollyの声が、その後を追っていく。
歌っている内容のひとつひとつよりも、音と声のもつ冷たい質感と、何かが静かに固まっていく感覚に引きずり込まれます。

ずっと向かい合ってきた立ち位置を見つける旅から、物事の本質に視点が移っている。「どこ」から「なぜ」へ。今鳴っているこの音を確かめるように、じっと立ち止まって耳をそばだてている。

ピアノの音は動かない。
彼女の声も動かない。
あるがままの音と声で、今の自分を表現しようとしているPolly。

空を駆けているときも、じっと立ち止まっているときも、実に絵になるアーティストです。


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