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Thurston Moore - Trees Outside The Academy [Artist M-O]

ロックに良心というものが必要かどうかわかりませんが、Thurston Mooreは確実に担っています。インチキもの、金儲け主義、イキガリ。いろんな人たちがうごめいているロックビジネス界を筆者は必ずしも毛嫌いはしません。もともと胡散臭いものです。ロックンロールスターなんて新興宗教の教祖と対して変わらなかったりする。だますかだまされるか。別にいいじゃないかと思います。

常に生々しい音を鳴らし続けるThurston Moore。
Sonic Youthであってもソロであっても変わらない。
ノイズがギシギシと音を立て、繊細なメロディは今にも壊れそう。
例えるならば、皮を剥きたての果実の表面。
もっとはっきり言えば、皮膚をはいだ後の毛細血管からにじみ出る血液。
なぜ彼の音はこうも真に迫るのだろう。

彼の良心とは、まともに時代の音への疑念をぶつけることです。

ヘビーな音は本当にヘビーなのか?
激しいビートは本当に激しいのか?
情緒的な旋律は本当に感情を伴っているのか?

もしかして、今のその音はごまかしではないのか?

彼が自分を含めた音楽シーンに、常に突きつけているのは、この問いかけです。
彼自身が納得しない。
自問し、疑い、探求している。

どんな傷も時間がたてばかさぶたができ、癒えていく。
激しく痛がっていても、いつかは本当の痛みを離れて、叫びだけがこだまする。

鳴らす音にどれだけの必然があり、どれだけの直接性が備わっているか。Thurstonの音が常に臨場感を持って迫ってくるのは、この姿勢で創作に取り組んでいるからに他なりません。

冒頭に言ったように、彼のまじめな取り組みがどれほど必要とされているのかはわかりません。良心なき世界は無秩序ですが、良心だけで世界は成り立たない。

ひとついえることは、私たちは毎日のように傷ついている。皮膚がはがれ、神経が切れ、血が流れている。そんな現実を現実として認識するためにも、Thurston Mooreの音楽が必要だということです。


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