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808 State - Ex:El [Artist Other]

70年ごろからポップ・ロック・シーンに登場し始める電子音ですが、当初は居場所がなかった。合成的に音を作り出すシンセサイザーは、いわゆる「ほんもの」の楽器と比較して音が軽いとか、一過性であるとか、単調などといわれた。

確かにピアノの代わりにはならなかったし、ストリングスは蚊の集団が飛んでいるようなか弱さだった。もちろん、その「変な感じ」を生かした演出は目立ったし、面白かったので、YMOやBuggles、Thomas Dolbyといったヒットを生んだ。

ギターの力の増幅器として裏方に徹したエレキとは対照的に、表に出ようとすると叩かれた。あくまで変り種として使い手のセンスにゆだねられる微妙な存在でした。

テクノは、そんな電子音にとってようやく見つかった居場所であり、新たな発展の礎となった。合成音がもともと持っている周期性や画一性を、リズムの強調という方法論の中に当てはめた。パルスが肉体の反応と相性がいいことの発見とあいまって、クラブ文化としてどんどん発展した。

90年代は、今までの恨みを晴らすかのように、エレクトロニックがアナログを攻撃し始めた時期。808 Stateはそんなオシロスコープのウェーブをすいすいと乗りこなした、デジタル・サーファーのひとつでした。

とはいえ、過激な手法はとらず、あくまでポップの表層をなぞることで、大衆の懐に染み込んでいった。流れのよいメロディラインや、明るいアレンジのタッチは、アナログの耳にも馴染む、むしろ旧世代のスタイル。かつては生楽器にニュアンスを与える音色が、怒涛のビートの勢いに乗って、メインストリームのポジションに居座った。

Bernard SumnerやBjorkは、はやくからアナログ/デジタルの区分けのばかばかしさに気づき、境界線を気にすることのない自由なスタンスを手に入れていた。本作で聞ける共演も、実に違和感がなく融合している。

古い音と新しい音とのせめぎあいを保守・革新になぞらえ、やじろべえの上で笑いながら踊ることで、新しい時代のバランス感覚を体現した。

Cubikのお祭り調のサイレンは、凝り固まろうとする意識を、いまだに揺さぶり、ほぐしてくれる。

そして808個目の記事。
今年は08年で、08月08日からOlympicがある。
実に808な年なのでした!


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