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Echobelly - Everyone's Got One [Artist D-F]

まっすぐ前を見て、
まっすぐしゃべる。
まっすぐ立って、
まっすぐ歩く。

なんとなくそんなことをしていないなあと思い、
なんとなくそんな情景を見ていないなあと思う。

連日終電帰りの忙しさの中で、
逃げるように会社の近くのバーガーショップに入る。
簡単な夕食をほおばりながら、
閑散とした店内を見渡すと、
作業着を着た若い男女が向かい合わせに座っている。

注文したのはひとつのバーガーと
ひとつのオニオンリング。
なかよく交互に食べている。

じっと前を見て、
じっと動かずに。

近くの現場から来ているのだろうか、
付き合っているのだろうか、
なにを話しているのだろう。

最後のほうは男の子だけがバーガーを食べている。
気がつくと女の子は何もしゃべっていない。
どうも様子がおかしい。
怒られているのだろうか、
それとも別れ話をしているのだろうか。
上司と部下のようにも思えるし、
勝手なオトコと、純真なオンナノコにも見える。

Echobellyのピークは90年代前半で、
決して長くなかったけれども、
鮮烈な印象を与えてくれた。
おなかの真ん中から、世界にこだまするような声を上げていたけれども、大声ではなくて、迷惑ではなくて、痛々しい純真さを持っていた。こだまする声は、誰にも届かずに自分に戻ってくる。それでもいじけずに声を上げる。そんな感じだった。

ボーカルのSonyaの印象だったのだと思う。
小さい身体で、そんなにインパクトはないのだけれども
それでも
「私のいない世界なんて、想像できない」
って言い放った。
気持ちよかった。
もちろんこだまがどう返ってくるかなんて、わかってた。
「あなたのいない世界なんて、いくらでもあるわよ」

忙しくて、
達成感がなくて、
間違っている不安ばかりに襲われる。
これでいいのだろうか。
こんなはずじゃないんじゃないか。

いやこれでいいんだ。
こうじゃない世界なんて、想像できない。
そう叫びたい、
そう信じたい。
でもこだまが先に聞こえてくる。
だから声を殺してしまう。

Echobellyが気になるのは、そのためだ。
もう一度声に出したほうが、いいんじゃないか。

声を出さないと、負けてしまう。

作業着の二人が立ち上がった。
男の子が先に出ていき、
女の子が片付けている。
泣いていたみたいだけど、
今は目は乾いている。
彼の後を追うべきか、一瞬躊躇したようにみえた。
でも
勢いよく、
まっすぐに前を見て、
まっすぐな歩調で、
お店を出て行った。

そう、それでいいんだよ。
どっちの方向に向かっていくのか、
それは大して重要じゃない。
まっすぐであれば、それでいいのさ。
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