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Olafur Arnalds - For Now I Am Winter [Artist A-C]

しばらく前のことだが、今はもうなくなってしまった
あるイベントスペースの空間音楽を担当していた。
担当していたといっても、お金をもらっていたわけではなく、
またそのスペースも営利目的で営業していたわけではなかった。
そういう場に流す音楽の著作権の問題なども、
本当はあったのだろうけれど、
ごくごくプライベートな空間だったので、
まあいいかな、という感じでいた。

真っ白なつくりで、外光がスリット越しに刻み込むように刺してくる
凛とした空間だった。

そこでよくかけていたのがOlafur Arnaldsだった。
アイスランドの若い音楽家という以上の情報がなく、
おそらく誰も知らないだろうということが、
なかば安心材料だったのだけれども、
何よりもイベントスペースにもかかわらず、
人を寄せ付けない雰囲気を持った真っ白な空間に
とても合っていたのだ。

現代音楽のような弦楽器の響き、
電子音やノイズ、
か細いボーカル、
人を落ち着かせるようでいて、
心のどこかに不安定感を与える。

場所に合っていたというより、
そこに来る人たちに対して、
そういう攻撃を仕掛けたかった
自分の意図だったといった方が正しい。

そのスペースにあまり多くの人が来ることはなく、
ほどなくして閉鎖されることになった。

その他にも、とてもまじめな会議、
例えば株主総会といったような場の
開会前に流す音楽としても、
Olafurを使ったりした。

おそらく集まっている人たちにとって
もっとも縁遠い、遠いアイスランドの若者が作る
辺境の音楽。

誰も聞いていないことも、
それが何の意味もないことがわかっていながら、
そういうことをしたくてしかたなかった。

これらは、裏方にいる変人の自己満足でしかなかったのだけれども、
この音楽に、「静かな攻撃性」が宿っていることは確かだ。

したり顔の何かに対して、
あからさまな抵抗や迎合をするのではなく、
たたずまいの中に動かしがたい意志を示すこと。

じっとしているがゆえに気づくことは少ない。
だけれども、そんな中にこそ、本当の力が宿っている。
自分がここまでやってこれたのも、
そんな力に支えられてきたゆえなのだろう。

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