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lefolk - isn't this dangerous? [Artist J-L]

無料で全作品を聞くことのできるネットレーベル、Resting Bellからのリリース
ここは、名前の通り、休みに来るような感覚でことあるごとに訪れてきた、
お気に入りの場所。

このようなネットレーベルがなぜ存在できるのか。

Resting Bellにはとくに改まった大義名分のようなものはない。
レーベルの世界観にマッチするアーティストの作品が
気まぐれなタイミングでリリースされ、ダウンロードストリーミングされているだけだ。

音のやり取りはビジネスとしてやり取りされるわけではない。
アーティストは音を「売っている」のではなく、
聞き手も音を「買っている」わけではない。
限りなくゼロに近い流通コストでやり取りされているのは、
音を介した純粋なコミュニケーションのみ。
ここには、金銭よりも大事なものとして、
音の交換が成立している。

それはネットがもたらしたコミュニケーションの変革に応じた自然な流れだ。
誰もが発信し、誰もが受信できる環境にあって、
ブログやツイートといった「ことば」や
アップロードされる「画像」や「動画」は、
売買を介してやり取りするものではなく、
すでに私たちのコミュニケーションの無償の媒体になっている。
ネットレーベルでやりとりされる音楽は、
その「音バージョン」に近いものなのだろう。

特定の音楽を中心にコミュニケーションを図ろうとするとき、
手段として、テキストや画像を用いることは、とてももどかしい。
やはり直接的に有効なのは、何よりもそこに音があることだ。

音楽でしか表現できないからアーティストは音楽を発信するのであり、
音楽でしか受け取れないものがあるから聞き手は音楽を欲するのだ。
そこに言葉を介そうとした瞬間に、確実に失われていくものがある。

lefolkの本作のインスピレーションになったのは、
ソ連時代の宇宙飛行士たちに関する都市伝説「Lost cosmonauts」だという。
ガガーリンがはじめて宇宙から生還する前に、たくさんの宇宙飛行士たちが、
宇宙飛行の失敗実験で命を落としていた、といううわさ。

これ以上を「ことば」でつづろうとするとどんどん失われていく、
この初期段階のもやもやっとした感覚。
それを表現するには、もはやこの音でしかないというところから本作ははじまる。

ここから先のやり取りは、もうこの音の交換の中にしか存在しない。

ブログで音楽について「書く」ことのもどかしさは、
はじめた当初から、あるいは始めるもっと昔から感じていたことだった。
それでも書いているのは、単に書くことしかできないからだ。
本当は音楽を作り、Resting Bellなどを介して配信するべきなのだろう。
ただ悲しいかな、受けるのは音楽でしか受け取れないのに、
音楽で出す力がない。
言葉ででもそれは十分にできていないのだけれども、
とりあえずそのもどかしさ含めて出していくしかないと割り切っている。

このブログのことばたちが消えていくように、
無数の音たちが発せられたそばから彼方に消えていく。
ガガーリンが偉大なのか、失われた宇宙飛行士たちが偉大だったのか。
そもそも宇宙や月に人を送ることを国家の威信をかけて競うことの異常さ。
そんな思いつきの数々を、しばしこの音に乗せてみたい。

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