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Beck - Morning Phase [Artist A-C]

静かに深くからだに染み込んでいき、今までに感じたことのない平安をもたらす。
安らぎともちょっと違う、「平衡感」とでもいうべき静かな状態。

Beckがこの作品を作り、歌い、演奏する中で、感情を極力持ち込むまいとしていることが、この特別な状態を作り出している。彼が今回チャレンジしている音のフォーマットは、わかりやすいメロディライン、重層的なコーラス、クリアなサウンドに代表されるとても「陽」なもの。

明るい音はごく自然に感情にはたらきかけるがゆえに、作り手、聞き手の双方にハイな状態を作り出しやすい。送り手は楽曲にさまざまな思いを込め、受け手はそこにさらに自身の思いを重ねていく。スパイラル状に肥大化していく感情は、やがてパンとはじけていいようのない恥ずかしさに取って代わる。

この「ベタベタ」と「シラケ」にどっぷり漬かりきってしまった「カリフォルニアンサウンド(彼自身そう形容している)」の中に眠る、本来の音の形を蘇らせたい、というのがBeckの製作意図なのだろう。無感情だけれども、冷たくも感じないのは、真剣に音にだけ集中しているからだ。

彼の丁寧な取り組みによって現れてきた音を前にして、私たちはただ息を呑む。
「美しい」という感情に移行する直前の、「息を呑む」状態にずっととどまらせてくれる。それがMorning Phaseの新しさであり、すごさなのだ。
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