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Alphabeat - Alphabeat [Artist A-C]

ポップスの定石
メリハリの利いた、
はっきりした音。
男女の健康的で、
濁りのない元気な
デュアルリードボーカル。

わざとらしさがなくて、
大人びたいやらしさもない。
子供の純真な遊びそのままに、
カラフルなブロックを
積み上げていくような単純さ。

それでもどこかに遊びではない
地に足ついた冷静な展開が見え、
素通りできない。

過去のレパートリーをなぞっているようで、
その実、特定の時代やアーティストに帰属できない。
計算が計算にならずに純真に響くのは、
ポップスの世界に対する謙虚な研究心と、
遊びの本質に対する深い愛情があるがゆえなのだろう。

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The Charlatans - You Cross My Path [Artist A-C]

決して新しい音ではないけれども、
決して時代を輝かせる音ではないけれども、
決して旬の音ではないけれども。

The Charlatansの新作が無料ダウンロードとなったときも、Radioheadほどの話題にはならなかった。その試み以前に、音としてのインパクトが効いていないことが、長年のファンとしてはさびしい。

90年代から活動するバンドにとって、2008年の空気はどういうものなのだろう。何度もバンドブームがおきて、新たな若者たちがむかしのネタをパクリながらも、勢いでシーンを席巻していくさまを眺める。もちろん、自分たちもかつてはそういう若気の至りでやっていた時期もあったけれども、変わらずに活動する自分たちを、何度も何度も振り返りながらやってきたに違いない。

いわば自問自答が詰まったアルバム。

無料で解放するところにも、
果たして今の自分たちにいかほどの価値があるのか、
改めて世に問いたい。
そんな、素直な気持ちがうかがえる。

悩みながらも、
続けていくしかない。
価値があっても、
価値がなくても、
自分たちではどうしようもない。
自分たちにできるのは、
自問自答の果てに出てくる音を鳴らしていくだけ。

ぐるぐると思考の輪をくぐりぬけてきた音は、
変な角が取れ、穏やかな様相で、普通に鳴っている。

そのきわめて自然な音に触れていると、
様々な妄想の垢が、からだからはがれていくような
不思議な洗浄感に満たされていく。

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Elvis Costello And The Imposters - Momofuku [Artist A-C]

このブログも記事数が900を超えました。
あまり公開したことはないのですが、
現在、毎日1500くらいのヴューがあり、累計で42万ヴューほどです。
多いか少ないかは別として、毎日確実に上がっていくカウンターを眺めていると、繋がっているという実感と、繋がり続けなければという責任を感じます。

いつも誰かが訪れて、読んで、何かを感じている。
そのリアル感だけのためかもしれません、続けているのは。

音楽を作るのも似たような思いからなのかもしれません。
誰かがどこかで聞いている。
誰かが何かを感じている。

何をいまさらという気もしますが、
30年以上たっても、熱い音楽を作り続けるElvis Costelloを聞いていると、その「いまさら」の気持ちに向き合います。

まったく衰えることのない、刺激とアイデアと楽しみに満ちた新鮮な楽曲の中心には、揺らぐことのないズシリとした核の存在を感じます。彼の創作の源であり、感情の原点であり、たぶん命そのもの。確実にその重みを聞き手の中に想起させる音楽の力は唯一無二です。体中に広がる「Elvis Costelloエキス」は、もう何年も何年も、聞き手を奮い立たせ、泣かせ、何よりも生かしてきました。そう、生かしてきた。Elvis Costelloがなければ、死んでいる人がたくさんいたのです。

デジタルサウンド時代になって、レコードのように「擦り切れるまで聞く」ということはなくなりましたが、彼のサウンドは、今でも聞き手との間に擦り切れるほど生々しい関係を生じさせます。この擦り切れるリアリティを感じさせてくれる音楽は実はほんとうに少ないのです。

書くことがだんだん難しくなってきて、
生きることももしかして大変になってきているのかもしれない。
だからこそ、改めてこの場所を見つめなおしたい。
擦り切れる音楽に触発されて、
擦り切れる文章が生まれ、
ヒリヒリしたリアリティが立ち登るようになれば。

いつの日か。
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Cut Copy - In Ghost Colours [Artist A-C]

キーボードの音色はともかく、
この飛び跳ねるような祝祭っぽいノリは、
なかなか再現できるものではない。
このあたりは、80年代のMTV隆盛期そのまんま。

筆者の場合は、映りの悪いTVKで金曜日の夜に
SONY Music TVとして流れていたビデオクリップを
ありがたがって拝んでいた時期。

洋楽が洋楽として珍しくて、鮮度があって
ウキウキ感を演出してくれた。
音楽がメディアを超えて広がっていく、
その前線のフロンティア感が刺激的だった。

欧米の人たちにとってどうであったかは
定かではないけれども、
Cut Copyはオーストラリア出身。
なんとなくだけれども、
何かが開拓されていく印象は
同じだったのではないか。

軽い電子音には、
ファンファーレのような響きがあり、
抜けのよいボーカルには、
自由を謳歌するさわやかさがある。

それは年代を超えて、今の世代にも方法論として受け継がれているのだろう。ビデオクリップなんて何も珍しくなく、聞いたことのないアーティストがあってもぜんぜん不思議ではなくて、見たいものは即座に何でも見れるようになったけれども、「音」が持つ高揚感だけはむかしのまま。

考えてみれば、すごいことだと思う。

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The Cure - The Only One [Artist A-C]

ベッドにうつ伏せで横たわる彼を、
彼女はじっと眺める。
放心状態で身動きしないカラダは、
魚屋に並ぶはまちみたいだし、
床に放り投げたランドセルみたい。

思わず吹きだすと、
気づいた彼が体を起こす。
ベッドの脇に腰を下ろして、
彼女に向かって顔を上げる。
そのときの彼の顔ときたら・・

The Cureの新譜を繰り返し繰り返し聞く。
繰り返し
繰り返し
繰り返し

執拗にエコーがかかり、
何回も何回も
Robert Smithの声が
かぶさってくる。

それは何回も何回もかぶさりあった、
昨日の夜の蜃気楼なのかもしれない。

ぐしゃぐしゃに
くしゃくしゃに
丸めた紙のような
ポップサウンド。

すごくすきだ
すごくすきだ
すごくすきだ
きみがぼくの頭にしてくれること
きみがぼくの心にしてくれること
きみがぼくの唇にしてくれること
きみがぼくの肌にしてくれること
きみがぼくの骨にしてくれること

真っ直ぐで
真四角で
真っ白な紙が
必ずしも
美しいわけじゃない。

「えっ、なにその顔?」
そんな顔を彼女は見たことがなかった。
「そんな顔するんだあ・・」
「なに?どんな顔?」
「え、ボーっとした顔」
「・・・」
「なんだろう。
 うまくいえないんだけど、
 すごくいい顔。
 ステキな顔。
 何も考えていないんだけど、
 普段の何も考えていない顔とも違うの。
 すごく無防備で、無意識で、目が違うの。
 きっと小さい頃は、
 こういう顔していたんだろうなあっていう顔」

それこそボーっとしながら、
いったいどんな顔をしているのだろうと
不思議がる彼。

「ああ、変わっていっちゃう・・」
「え?」
「普通になっていっちゃうよ、消えていく」
「だって、何もしていないよ。
 なんで?
 なにが?」
「わからない。
 でも、ああ、戻っちゃった・・」

The Cureが鳴らす音は、
ときどき見たことのない魔法をおこす。
至福というものがあるとするならば、
そんな一瞬かもと思える、通り過ぎた瞬間に
あ、今のだったかもと思う。
そんな音。

彼がまだ5歳の少年のころ、
夕日を見ながらブランコに乗りながら、
今がいちばん人生で楽しいんだと思ったことがあった。

彼女が見たのは、ほんとうにそのときの顔だったのかもしれない。

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Richard Bona - Tiki [Artist A-C]

アフリカンと簡単に言っても、ピアノとジャズのフレーズはニューヨークのクラブの空気そのもの。アフロサウンドが持つ温かみを、都会的なクールの論理の中で鮮やかに展開する楽曲群の中に、どこでもない、ここだけの落ち着きを感じる。特にスピード感、リズム感はサバンナを横切る風のように軽やかで、ジャズ固有のこだわり感から来るとっつきにくさを追い払ってくれる。まあ、あまりいいたくないけど、いまどきジャズ、いまどきアフロ、いまどきラウンジ。ありきたりのジャンル分けの中で安住するのも悪くはないけれども、いまどきの耳は、もっと違うものを求める。求める欲求の向かう先を実に的確に捉えた本作は、だから簡単には鮮度が落ちない。

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Crystal Castles - Crystal Castles [Artist A-C]

少しレトロテイストがかかったエレクトロ・ポップかと聞いていると、3曲目のAlice Practiceあたりから様子がおかしくなってくる。ゲームセンターの中でランダムに機械が動き出したかのような音のカオスの中を、ポスト・パンク時代の前衛スクリームを髣髴とさせる女性の声がこだまする。音として鳴らすためのエレクトロニカではなく、何か得体の知れないものの輪郭を描き出すかのように、立体的に、説明的に配置されていく。わたしたちの頭脳の壊れた歯車の回転軌跡なのか、暗闇の中に浮かび上がる輝く不夜城の外郭なのか。何かはわからないけれども、触りたくないような、でもとても馴染みのあるもの。きっと忘れたい記憶の中の、それでも自分の一部とし愛着の湧いてしまう部分。切っても切れない違和感は、そのまま今の自分そのものでもある。混沌の中でも丸みを失わない電子音のキューブと戯れながら、意識と触覚の感度が磨かれていく気がする。
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ABC - Traffic [Artist A-C]

朝の電車で書くこともある。
いつも7時ごろの座れる電車で行くのだけれども、特急の自由席回数券を持っているときは、贅沢して特急に乗る。贅沢した分、何かしなくちゃと思ってパソコンを広げる。ウルトラモバイルがいいかげんほしいと思いながら、B5ノートをふたを開ける。

ABCとはまた懐かしい。
80年代ポップスのコンピレーションで必ず目にする、完全にその時代に封印されたオールドネーム。リバイバルでもないのだけれども新作。こんな感じだったようで、こんな感じではない現代感覚。ポップスとはその瞬間の大衆/社会に対峙して一発芸を披露するようなもので、理屈抜きに衆目を集められれば勝ち。本作の音を聞きながら、あちこちで人が振り向く気配がする。

骨格のはっきりしが、メリハリの利いたアレンジ。
キーボードは濁りがなく、押してくる。
朝の通勤の足並みにあうような、勇ましさ。
これくらいないと、一日のスケジュールは乗り切れない。

朝の通勤の記事は得した気分だけれども、
その分疲れてしまう。
なんだよ、これから仕事かよ。
もう頭使っちゃったよ。

ABCはぐいぐいとそんな弱気の背中を押してくる。

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Cajun Dance Party - Colourful Life [Artist A-C]

アコースティック・ポップ・ロックにキラキラとストリングスの雨が降り、ロカベリー風のギターアレンジにパラパラとやわらかいキーボードが降る。
元気とセンチと5月の風、ってところ。
ゆるくて甘めのギターサウンドに、いやおうなしに降参

だってこれだけ暖かくなると、
上着を脱ぎたくなるし、
両手を広げたくなるし、
しかめっ面よりは、大きな口をあけて
あくびでもしたくなるじゃない?

今日も木漏れ日の中を散歩した。

遠くに海が見えて、
富士山のてっぺんはかすんでて、
強い日差しに透ける新緑の輝きはまぶしかった。
パン屋に寄って、
チーズパンを買って、
砂利道を歩いて帰ってきた。

そんなにかしこまらなくったって。

これがColourful Lifeでしょ?
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A Fine Frenzy - One Cell In The Sea [Artist A-C]

友禅染からスクリーン、さらにインクジェットへと染色の技術を進化させてきたプリントクリエーター。商業的な仕事をこなすかたわらで、自分の思い通りの染め上がりを追求する。

壁にずらっと並ぶCDと、あちこちに放置してあるギターを眺めながら、話はいつの間にか音楽の方向へ。

「まあ、依頼仕事はスタジオミュージシャンで、創作はソロアルバムみたいなものですね」

やりたいようにすべてのことをやっているわけではない。
今までにない風合いの生地に、繊細なグラデーションがかかったトートバックを指さして、「これはソロアルバム!」

床に転がっていたRolandのTR-808について得意げに話をする顔は、完全にソロ・アーティストになりきっていた。

ぼくたちは、
リードアルバムばかり作れるわけではない。
むしろ、スタジオミュージシャンか、
それすらもままならない、
バックヤードの作業員。

まあ、それもいいけど。

A Fine Frenzy
Alison Sudolはしっかりソロとして、
自分の音を作っている。
そんなに大きく花開いているわけではないかもしれないけれども、
抜ける感じのクラシック・ポップは独自の感性に支えられている。

こういう作品を作れるのがうらやましい。
まさにグラデーションのトート。
風合いと見たことのない心地よい色。

作業員でいることが多いけれども、
作業員魂のこもったソロアルバムをいつか作りたいと、
思う毎日。
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